∞の庵

這い上がった先に開けた王道を堂々と行く6人を追う

「マニアック」から学んだ何事も表裏一体だという事実

今日は舞台「マニアック」が千秋楽なのですね。
舞台がここまで何事もなくきたこと
そして、個別に思ってはいけないとは思うものの
ファンとしてはやはりヤスの体が何事もなく
完走できたことが本当にうれしいです。

いや、あの子のことだから何事かあったとしても
気がつかれないよう乗り越えてきたかもしれない…
それでもこの日を笑顔で迎えられるのが何よりです。

私は大阪で1度だけに見に行きましたが
実はお席が少し左側の前から2番目でチョー良くて
ヤスの汗もスジものど仏も肉眼で見られるほどの
それはそれは幸せなお席でした。

でもね、古田氏が客席に降りてきて
1列目の方に話しかける演出があったんだけど
私はちょうどその真後ろにあたる席にいてね、
あまりに驚いてちょっと飛び上がったんだけど
その1列目の方は全く動じず、むしろ
古田氏ではないところを見ているくらいの感じでね。

おかげで古田氏は話しかけられてもいないのに
後ろで飛び上がった私をチラッと見てくれたという
ラッキーを頂けました。
私、驚きがピュアでよかったわ。

恐らく何度も見てご存じの演出だったんだろうけれど
色んなお席で新鮮に舞台を楽しめばいいのに…
もったいないなと他人ながら残念に思いました。
ヤスしか見るつもりがないのも仕方がないけれど
それでヤスが喜ぶとは思えないのよね。

そういえば、カテコでしずちゃんに手を振ったら
ニコニコ振り返してくれてすっごくかわいかったな。
こうして演者の方がご本人の演技や人柄に触れて
好きだと思う一般人が増えていくことを
少しでも感じてくれたら嬉しいなと心から思います。

あ…内容の感想ここまで一つも言ってない…

私は事前に全く情報を入れないままに行ったので
古田氏の声掛けで生まれた舞台だということを
すっかり忘れていました。
ヤスの登場もしばらくたってからなので集中できておらず
開幕後すぐに「(内臓)食べますか?」と言った古田氏のセリフも
聞き逃しそうだったほどにうっかりしていたのです。

本当にうかつでした。
これは本来はアイドルを見たいがために行く舞台ではない。
なぜなら、登場人物すべてがイカれているのです。
そして想像できたはずなのに、超絶な下ネタで
唯一ヤス演じるアキラ一人がまともだったことが
お話の内容としても救いになるのですが
それがヤスの可愛らしさを倍増させるのです。

早い話が、一般では裁けない悪党を病院に閉じ込め
街はやっかいごとを病院に押し付けることで
院長が権力を持ち、お金儲けするのを黙認。
当然そこには医師が持つべき命への尊厳はなく
ましてやまともに思えていたその娘さえも
抑え込めない性欲に狂い、誰もが欲に巻き込まれ
その欲求を生死をかけて振り回した結果
刺し合い、撃ち合って死んでしまい
「そしてヤスだけがまともだった」となるのです。

以上、大体のあらすじでした。

でもね、アキラは本当に可愛らしいの。
何といってもキャラクターがピュアで関西弁。
植木屋のつなぎを着ていることもグッジョブ。
そして元嫁のことを考えたり
好みの女性に浮かれて植木を切ると無意識に
ハート型にしたりお弁当箱の仕切りに使う
バレン型にカットしてしまうの。

だが彼の元嫁はゲームにはまってしまいお金を散財し
結果精神科に通うことになるも
きちんとした治療が受けられず、破たんした過去がある。
それでも明るく働きながら
また恋をしたいな~と思いながら過ごしている。

そんな時に植木カットしていた病院の娘さんに一目ぼれし
何とかして近づこうとするうちに、病院が囲っていた
未成年の時に事件を起こして裁けない
どうしようもない異常な男たちを見つけてしまい
事件に巻き込まれていく。

でも異常なのは患者だけではなく
囲っている医者はもちろん看護婦たちも見て見ぬふり
恋した娘もいざ自分のこととなったら
おさえ切れない性欲に走ってしまう。
こんな風に現代の闇や不条理を、ちりばめるどころか
お話の主軸にしたのが「マニアック」なのです。

そんな中、最初はカッコつけたかっただけだけど
恋した娘を守るために奮闘するアキラはいじらしく
悪である医師(古田氏)にタンカ切って立ち向かう姿は圧巻。
なのに、娘の本当の姿を知って途方に暮れた様子は
お席が近い分、思わず駆け上がって支えたくなるほどでした。

好きな人を思って歌い、
両想いになって幸せそうに手をつなぐアキラに
胸がキュンキュンもするのに
平常ではない世界にすぐ引き込まれる異常さが
とにかく忙しいマニアックな世界観。

でも誰もがそれぞれの人生に貪欲で
バイタリティにあふれていてぶっ飛んでいる。
その思いを音楽にのせて歌いあげ踊る演者さんが
ほんと、濃くて、かっこよくて、キレがいい、なのに
歌と踊りの残像は粘っこくて強い印象を残しました。

結局、人間は善悪のバランスを自分でとりながら
隠しきれない自分の欲求をどこかで満たす必要がある。
でも平常でいられるかは紙一重だということなのかしらと
目の前で繰り広げられる舞台から私なりに学びましたが
正しい解釈かしら?

ただ「面白い」って一言では
片付けられない重さでしたが、私としては
最後にギター一本で歌うヤスの後ろから
まるで大きな祭りのようにみなが大きなうちわであおぐ中
男性のシンボルを模した神輿にまたがってかつがれる
成海璃子ちゃんを見て非常に感心しながら
この学びを自分なりに受け取ったことをほめたい気分です。