∞の庵

5人しかいないけれど、5人がいる

ヒナ祭りなのでイフオア内容感想

春の嵐とともに訪れた3月。
もうすぐライブDVD発売となるにも関わらず
なぜか寂しさばかりを感じるのは
春が別れの季節だからでしょうか。
それとも新曲やライブのお知らせが無いからでしょうか。

いよいよ本当にペコジャニ∞が
全員そろって見られる番組ではなくなりそうな雰囲気も
この物悲しさを一層引き立てているものと思いますが
愚痴ってばかいいてもしかたがないので
雛祭りのこの良き日に
うちのヒナちゃんの一人舞台、イフオアの感想を
より具体的に楽しく記しておきたいと思います。

これから見られるという方は
ぜひここで回避してください。

 

 

 

ただでさえ日本男児なしんちゃんが
プライベートで甲冑を買い、
村上水軍の末裔だと知り、
ますます武士道を色濃くしつつあった昨今。
いつかこの日が来ると思っていた
イフオアでの歴史物が今回のテーマ。

主人公である「村上シンエモン」は
海と船を知り尽くし、先陣を切って敵と戦う
村上水軍の一番隊長。
幕が上がりまず始まったシーンはまさに敵と戦い
バッタバッタと切り倒していくところだった。

カッコいい殺陣なのに
わざとキメ顔してみせるから自然な笑いが起こるが
最後に麗しい刀さばきで作った「X」の陰影が
明らかに今回の第十弾である「X」と重なり
気持ちがスッと引き込まれ、シーンが転換する。

海に浮かぶ船上で仲間との宴を楽しむシンエモン。
勝利の美酒に酔っているようだが
船のへりに足をかけてブラブラさせる様子が激カワ。
大好物のイカをかじっているが
イカは一口目だけが好きなので
すぐにポイして新しいイカを所望するわがままを振りまく。

そんなご機嫌な時をすごしていると
海が荒れて船が揺れ、投げ出されたシンエモンは
黒龍」と呼ばれる大渦に飲み込まれる。
渦に巻き込まれながらもドラえもんの引き出にあるような
典型的なタイムマシーンに乗ったシンエモンは
はるか未来の浜へ投げ出された。

浜で気が付いたシンエモンだが
タイムトリップしたとは思いもよらず
いまだに勝利の宴の最中気分。
いるはずのない仲間に「起こしてくれないと起きない」
と駄々をこねてみせるが誰も起こしに来てはくれない。

だが舞台を真剣に見ているはずが
起こしてほしいと駄々をこねるシンエモンに
つい自分に向って言っているのではないかと
想像してしまったのは私だけではないだろう。
こんな風に萌える姿を率先して見せる無防備さが
きちんとアイドルとして自覚してくれているという
パブリックイメージとは違う認識ができる喜びが
ファンにはある。

打ち上げられた浜辺で一人たたずむシンエモンは
大好物のイカを見つけて一口かじってみるが大変まずい。
そういえばイカの配色も派手でおかしいし
海も青色ではなく紫がかっている。

不審に思っていると何やら戦いが始まり
突然現れて助けてくれた女は今この時代で戦う
ハイテク軍だと言う。どこか怪しいバスガイドのような
Perfumeさんダンスを踊っていた時のキャラのような
いい女の雰囲気が漂う。

大いに女を出した女を演じさせるとこうなるという
目をパチクリさせて語尾を上げて話す典型的タイプだが
しんちゃんの思う女とはこうなんだろうなと思う。
こうして定期的に見せてもらえると勉強になるが
自分とはかけ離れすぎていて凹みもする。
女の典型的さってのは実際もほぼ演技だな。

ハイテク軍と相対するアナログ軍に捉えられ
ハイテク軍側ではないことを証明するため
質問に答えて行くシンエモン。
名前や好物やら答える中好きな女性のタイプは
紫式部」とサラッと答えたのには笑った。

そういえば海も紫色で「モーヴの海」だと言っていたが
巻き戻しのできない生の舞台で
こうしたポイントを見逃さず、聞き逃さずに
意識にとどめられた時は
その村上信五のこだわりにヒリヒリする。

とはいえ確認のために歌った「LOVE&KING」は
あまりの興奮から歌詞はすぐにぶっ飛んだが
「ヒ〜フ〜ミ〜ヨ〜」とカウントした時に
思わず横にいる友人の腕をバシバシ叩いてしまった。
今回は思ったより少ないエイトネタではあったが
ライブ不足な気持ちを満たすにあまりある一曲だった。

アナログ軍に信頼を得たシンエモンは
勝利の鍵となる幻の魚「イフィッシュ」を
釣ってきて欲しいと依頼される。
その確保のために出かける演出の為、
舞台真ん中の扉から自転車で通路を抜けて
客席の低い段をガタガタと降りて舞台に向かうと
最前列に座る方に話しかけた。

アナログ軍に持たされたお弁当のバナナだが
食べ方がわからないので尋ねたのだ。
驚愕しながらも控えめに皮の剥き方や食べ方を
教えてあげる客席の方。
バナナを知らない為いちいちその教えに驚くも
一人舞台中にバナナを一本食べ切る苦しさに
つい知らないはずの水筒を
スムーズに開けてしまって苦笑い。

ああ、この時のしまったの顔が焼き付いている。
演出だとしてもやっちまったと照れつつ
水筒の水を煽って飲み、バナナで詰まった喉を潤す
セクシーと可愛いの結合。
これが計算だとしたら完全にやられているが
それも致し方ないだろう。

イフィッシュを探しに行く場面は
完全に任天堂様の「どうぶつの森」。
浜に出かけて持たされた特別な竿を海に入れ
魚の影にタイミングを合わせて引き上げると
次々と上がる大切なスポンサー様の商品。

麺づくり、ハイチュウ等
細かく作り上げられた箱物が上がるも
ひらがなしか読めないシンエモンには
それらが何なのかわからないが
ただ一つ「おっとっと」だけは読めて嬉しそう。

最初に釣り上げた麺づくりを海に返す時
それらを受け取るスタッフと息が合わず
何かしら海の中で起こったようで
海の中の人が笑っていたと言うハプニングもあったが
無事に幻の魚「イフィッシュ」を釣り上げ合戦の場に戻る。

圧倒的な強さのハイテク軍に対し
手も足も出ないアナログ軍の中で
一人体を張って戦うシンエモン。
見た目ジンベイザメのような可愛いイフィッシュが
火を吹きながら全力でシンエモンに助太刀するのが
いじらしい。

いよいよハイテク軍の大将と対面し
彼がかぶっていたマスクが取れて出てきた顔は
驚くほどにシンエモンにそっくり
彼は村上水軍の最後の末裔で、自分を殺してしまえば
村上水軍の血が途絶えるのだと伝えられる。

ここでポスターに書かれた「血を選ぶか」の意味がわかる。
シンエモンの戦いには大きな選択が迫られるが
平和のために戦うことに迷いなく突き進む。

舞台と客席の間に薄い膜が貼られると
そこに映される映像に合わせてシンエモンが刀を振る。
音と映像と村上信五がピタリとはまり
見ている側の想像力を掻き立て、戦いを表現して行く。
そこにはもうオープニングにあった合戦シーンで
生まれた笑いは欠けらもない。

最後に振られた刀から大きく描かれた「X」は
初のシーンの記憶と重なり
時代を超えても変わらないシンエモンの強さと
海を守りたい気持ちにつながる。

これほどに「X」を美しく描けるのは
シンエモンか「X JAPAN」様しかいないだろうなどと
つまらないことを思った自分が申し訳ないが
それほどに村上信五の刀さばきと
映像と音楽との融合が美しくて誇らしかった。

戦い後、二つの軍はお互いのいいところを活かして
共存して行く選択をする。
美しい海が戻り、平和が訪れ、
シンエモンもこの時代で生きて行くことにする。

ところが、またあのタイムマシンに乗ってしまい
次の違う時代に飛んで行き
シンエモンの旅は続いてシーンで物語が終わる…

エンディング、いつもの舞台メイキング映像とともに
スタッフさんのお名前が
親しみを込めてあだ名とともに流れる。
エンディング曲の説明部分では
「今流れている曲」とさらっと書かれていて
隠れアイテムを見つけた時の興奮がここでも止まらない。

そして舞台が終わったと思うとすぐ暗転した後
いつもの先生のコーナーが始まる。
いつもは舞台の最中に何かと意味をつなげて披露するが
今回はどうしても繋がらないので最後に持ってきたそうで
舞台の余韻を残したまま、あの黒龍のような笑いの渦に
私たちも巻き込まれて行く贅沢を味わうのだった。

フゥ…ブログが大変長くなってごめんなさい。
先生のコーナーの感想はまた書けるように
メモと記憶を残しておきたいが
さて、いつ書けるかしら。

最後になりましたが「シンエモン」がカタカナなのは
漢字表記がどうだったか記憶が薄れているからです。
それぞれ正しい表記に直してお読みください。
多分私の記憶では「信衛門」だったとは思っています。

とにかく
村上信五、最高です。
↑安易なようでもうこれ以上の言葉はない