∞の庵

5人しかいないけれど、5人がいる

悲しくも偉大なマクベス王

マクベスという有名なお話なので
ネタバレと言うよりは筋にも触れながら
感想言わせていただいています


マルのマクベスを見て魂奪われた翌日、
生放送でまたマルに浸れる幸せ。
本当にマルの仕事ぶりに頭が下がります。

見終わってしばらくは気持ちが持って行かれ
凝縮した彼らの人生に頭がパンパンになり
理解しがたい歴史に疲れて新幹線で少し眠り
起きたらストンと入ってきて気分が楽になり
在来線に戻ってきた時にはスッキリしました。

シェイクスピアは難しくて濃くて
舞台でも敬遠してきたけれど
マルのマクベスが見られて良かったと思う。
強いのに繊細で、愛情があるのに孤独な王。
大好きなマルが演じ切るのを見るのも
辛いくらいに悲しいけれど
それだけ世界観に引っ張り込まれてました。

舞台は生演奏でセリフに合わせて効果音も表現し
大切なシーンでは印象に残るような音で
頭に刻み込ませてくれる。
マクベスには珍しく出演者が少ないが
その分それぞれの役割や感情がわかりやすく
舞台がシンプルに進んでいく。

シェイクスピアでは登場する「魔女」を
男性ダンサー3人が演じ、
その怪しい言動にマクベスが惑わされていく。
占いやお告げに惑わされるのは今も昔も同じだが
信じすぎて敬愛する王を殺してしまうシーンから
完全にスイッチが入った気がする。

いや、スイッチが入ったのはマクベス夫人との
濃厚なシーンからだろうか。ファンには辛い場面だが
よくぞマルが演じてくれたと思う。
夫人への深い愛と喜ばせたいという無邪気さに溢れ
また夫人も自分の欲だけではなく
マクベスなら王になれると信じる想いが理解できた。

だがそれにはあまりにもマクベスは繊細で苦悩が続く。
「領主となり、王となる」というお告げを現実にすると
「友人の子供が王となる」というお告げを恐れ
友人をも殺してしまう。

だけどマルが演じるマクベス
それほど権力に魅せられているように思えなかったのは
最初に戦いが終わったのに襲ってくる敵に
「もう戦いは終わったんだ」と言いつつも
剣を振るわずにはいられなかった姿や
戦い終わりに友人と楽しそうに帰還する様子が
あまりにも人間味があって相反する…

そう…人間味があるんだ…というか
人間の感情が溢れすぎている。
剣の強さ、お告げに振り回される弱さ、
夫人を喜ばせたい愛情、亡霊に恐れる日々、
誰も信じられなくなり暴君でい続けるしか
なくなる悲しさ…全てが人の感情として伝わり
それをマルが演じて見せていることが
痛くて辛くも感じるけれど深くて強い。

「男ならば」という夫人の言葉で奮い立つのに
「女の腹から産まれたものには倒せない」という
矛盾した自分へのお告げにすがってしまう。
自分は女の腹から産まれたただの男であるのに
もうどうにも抗えず、孤独に戦うしかなく
最後には戦い果ててしまう王をマルが演じたことが
とてもとても辛くもあったけれど伝わった。

独特の長い比喩表現が難しく
それをやり続けている皆さんが単純にすごいし
だからこそ魅せられる、舞台の真髄も見た。
もう、全てにすごいとしか言えない。

そしてマルの出せる全ての表現を見せてくれた。
感情をむき出しにして、体全部で表現してくれた
マクベス王を焼き付けていたい。

未だマルのマクベス王の表情が焼き付き
正直、まとめきれないけれど
とにかくマルの舞台を見られたことに
感謝でいっぱい。

こうして新しいものを見せてくれて
またマルを見られる喜びでいっぱい。

マルの演者としての無限の力を焼き付けて
またマルをずっとずっと見ていたいと思う。


エイト愛が自分勝手でごめんなさい。
拍手コメントもいつも嬉しく拝見してます‼
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