∞の庵

5人しかいないけれど、5人がいる

無類の「Traffic」好き

いつかまた書けたらいいななんて書いておいてなんだが
やはり錦戸亮作「Traffic」の好みの点を書いておこうと思う。
なぜならこの時期みんなの好きな曲の集計を
ネットで流れ見ることがよくあるが
微妙に自分が多数とずれていることを感じるので
きっちりと自分の気持ちも書き残しておきたいのだ。

ちなみにさっき前の記事の最後はなんて書いたっけと戻ったら
「Traffic」の綴りが間違っていたのでしれっと訂正しておいた。

アルバム「ジャム」の通常版に収録されたこの歌は
錦戸亮節」が詰まっている。


CDで流し聞いていても気持ちいいが
車の免許を持っていない私にとっては
少し損している気にさせられるほど
運転中の亮ちゃんの心の中を覗き見た気分になる。
せめて自転車に乗りながらでも疾走感を感じたいが
最近は自転車に乗ることもなくなったのが情けない。

私が思う「錦戸亮節」とは
「自分の全力で仕事も恋愛も満たしたいが
完璧ではない自分に自信もなくてよく凹むも
考え直して自分を信じて邁進していく男の気持ち」を
「起承転結」に乗せて表現する独特の世界観のこと。

しかもその表現は名曲に多い「抽象的」な言葉で
誰もが自分の状況に合わせて感じられるように
されたものではなく、完全に「錦戸亮」目線であり
アイドルで多才だがもっともっとやりたいことがある
錦戸亮」の心の中を恥じることなく見せてくれるのだ。

この曲ではどうやら深夜に高速を走っている男一人が
外車乗ってるヤツに睨まれてビビったり
お城みたいなホテルを見て妄想したりしていると
自分が走っているレーンの方が進みが遅いことに
全てがツイていない側にいるような感覚になる。

ふと自分の人生のルートも間違っている気がしてくる弱さ。
選んだレーンも走る速さも不安になる小心者。
だが「どうせ自分なんて」と思いそうになったところで
急に目がさめるような美人なお姉さんが目に入り
一気にテンションが上がる男の単純さがキラリ光る。

乗っている車を降りてサービスエリアでお茶でもと思うほど
妄想は広がるが抜かされただけではなく後ろに書かれた
「Baby in the car」の文字に傷つきオチもつく。
ついでにこれまでの困難や傷心を思い出して余計凹むが
自分の愚かさに「そんなことわかってただろ」と気付く。

途端に走っていたレーンのスピードと同時に現実に戻る。
先を走っていたはずの車も横にいて優越感も出てきて
聴きなれたプレイリストのボリュームをあげると
テンションもぐっと上がる単純さがまたキラリ。

気分ひとつで自分が走る道も変わる。
選んでいた道も人生も間違っていないと思うと自身も生まれる。
困難もこうして乗り越えていけばいいとわかると
ゴールはまだまだ見えないけれどその道も楽しく過ごせる。
「これまで通り、変わらず生きていく」
そんな錦戸亮の気持ちがギュッと詰まっているのだ。

ある瞬間に見えるものと考えていることを
こうして歌詞にするだけで歌にできるのかと
勘違いさせるほどに亮ちゃんの表現は巧みで
想像するのも難しい比喩やありがちな言葉を並べるより
歌詞もしっかり聞いて楽しめるええ曲になる。

そしてこれがハイスピードで展開されるバンド曲で
エイトが必死に演奏しながら歌うのがたまらない。
私にとってはこれも2017年でかなり刷り込む曲となった。
これを早く映像でも見たいが3月までのお預けとは辛い。
特典映像も楽しみだがすば散歩も久々に復活してほしい
と思っているのは私だけではないだろう。


たまに具体的に頭の中を見開いて見せてくれる
亮ちゃん作の名曲たち。
どれだけ音楽に自信が持てるようになって
俳優として大成功を収めるようになっても
変わらず溢れる上昇志向と全ての欲を隠さない
ちょっと情けなさもある男の
愛すべき歌詞を2018年も存分に披露してほしい。